貴方に会いたいの。

自宅デスカーンさんのお話。







「ねえ、鬼六。」

「………」

「泣いてるの?鬼六。」

「…………」

「そんな悲しい顔しないで?」

「私は、また…この手で……人を、殺めて
しまった……」

「そう。」

「…………」

「でも、それは本当の鬼六がやった事じゃないじゃない。」

「でもそいつは私の中に宿っている。私が殺ったも同然ではないか。」

「そんなことない。貴方の意思じゃないわ。」

「しかし…」

「私は、どんな鬼六でも大好きよ。」

「…!?」

「だから私は貴方の傍にいたいの。」

「しかし…!それなら、いずれ私は君を殺めてしまう…!!」

「いいえ。きっと鬼六が助けてくれるわ。」

「…?だから、私が…」

「"本当の鬼六"が私を守ってくれる。」

「そんなこと…」

「出来るわ。貴方だもの。」

「………」

「そしていつか、貴方を本当の名前で呼びたい。」

「それは…"奴等"が私の中に居る限りは…」

「…そう。出来ないのね。でも、私待ってるわ。」

「え?」

「ずっと待ってる。」

「………」

「だから早く"貴方"に会わせて?」

「私は……」

「貴方に会いたいの。」




嗚呼、"私"はきっと君には会えない。








デスカーン♂「鬼六(きろく)」

自分の中に六匹の鬼を宿す。なので鬼六と呼ばれてます。
名付け親は鬼六が仕えている古代都市の宮殿の王様。
本名は自分と王様しか知らない。
自分の中に鬼が居る限りは本名を明かさないでいるつもり。
正義感、忠誠心が強く、周りの人からの信頼も厚い。
だが、自分の中の鬼のことになると後ろ向きになってしまう。
鬼は人格として出てくる奴も居れば、鬼六の性格の一部として出てくる奴もいる。
感情的になると出てきやすい。




今の所追加する予定はないです…