炎と植物

シャルワールとルフェインが何か話しているようです。



「もぅ!ルフェインさん!少しイライラしちゃったからといってむやみに炎を吹かないで下さい!」

「だがよ、カザキリの野郎、俺を格下に見やがって…」

シャルワール宅の花畑が綺麗な庭でお説教。

「お花さん達が死んでしまったらどうするんですか?」

ほっぺを膨らませ、腰にてをあて茶目っ気のある言い方で叱る。

相手の機嫌を損ねないように叱るのはお手のもの。

ルフェインは口を歪ませ目を泳がせている。

「ちっ…わーったよ!!」

あーはいはい、と、さっさと終わらせたいルフェインの心がシャルワールには容易く読み取れた。

直ぐに顔に出るのがルフェインの短所だった。

それに動じずシャルワールはルフェインの手をぐいぐい引っ張って、ちょうど炎を吹いたと思われる大体の位置につれてきて、

「さ、お花さん達にごめんなさいを言いましょう!」

と、言った。

そんな言う事を聞くわけもなく、ルフェインはシャルワールの手を振り払い、少し顔を赤らめた。

「なっ……!!なんでわざわざそんなことしなきゃなんねぇんだよ!!次からは気を付ける。それでいいだろ!!………はっ…」

気づいた時にはもう遅かった。

みるみるうちにシャルワールの目から涙が溢れでてくる。

怒鳴ると泣く。そう分かっていたのに怒鳴ってしまった。どうもこいつといると調子狂ってしまう。

ルフェインは泣き顔を見てただわたわたすることしか出来なかった。

しゃっくり混じりの泣き声をどうにか押さえようと色々考えた。

そしてこの案を思い付いた。

「あーーー!!くそ!じゃあ、俺が向こうの町まで言って何か花を買ってきてやるよ!それでこの村に植えて育てる。トリガー村に花が増えて、これが謝るかわりにもなるだろ!?で、めでたしめでたし。それでいいだろ!?」

思い付きの案だったが、それを聞いたとたんシャルワールの顔にみるみる笑顔が戻ってきた。

「じゃあ、シャルも着いていきますっ!」

「あ?なんでだよ」

「ルフェインさんはご存知ないかと思いますが、道中に綺麗な向日葵に囲まれている建物があるんです!一緒に見に行きましょう!」

「はぁ~?!……まじかよ…ったく、めんどくせぇな~…」

文句を言いながらもシャルワールの言う通りにする、ことしか方法はない。

また泣かれたらもっとめんどくさいからしかたなく今回だけは特別。

思い付きの案で、わざわざ遠くの町まで行き、しかも寄り道までさせられるハメになるとは思わなかったが、背に腹は代えられない。

花なんかに謝るよりはずっとマシだった。


「そうだ!手を繋ぎましょう!」

「次から次へと…」


振り払った手を握るのには多少抵抗あったが…

もう、言うまでもないだろう。






そして道中ほぷたん宅うらら荘に寄り道し、アルトさん達と出会います。←